文豪の書物置き場

文豪タウンが書いた創作物を置いています。本ブログ内の記事はすべてフィクションです。

人狼TLPT

幻のパンと長いスプーン 【パンジーさん100st記念小説】

パンジーさん100ステージ記念として寄稿した「幻のパンと長いスプーン」を、一部改訂して投稿します。改めて、パンジーさん100stおめでとうございました。今後のご活躍を楽しみにしています。 また、作中のヒルダのセリフは北海道弁ですが、こちらの監修はま…

また苔が生えるその日まで(5) 魔女公演と人狼伝説

お気に入りのお菓子を食べられるというのはとても幸せなことだ。 フワフワと口の中で広がる楽しい食感のマシュマロ、サクッとした外側の皮と中のじゅわっとした風味のマカロン、甘い中にも芯のあるビターな風味が心地よいチョコレート。デイジーはそんなお菓…

また苔が生えてくるその日まで(4) 作戦決行?

午前5時。ようやく日が出始める頃にキャメロンは目を覚ました。いつもと同じ起床時間だが、いつもよりずっと頭がスッキリしている。昨日は早く帰ることができたので早寝をしたのが功を奏した。毎日こうだったら良いのだが、おそらくそうはいかないだろう。自…

また苔が生えてくるその日まで(3) 魔女の墓磨き

正午近くになってようやくキンバリーは目を覚ました。とはいっても、この時間帯になって起床するのはキンバリーにとっては日常的だった。違っていたのは、昨日は墓地から帰ってきた直後にベットに倒れこむようにして寝たため、普段より就寝時間が早かったこ…

また苔が生えてくるその日まで(2) 墓守との邂逅

(どうしよう……。) キンバリーは焦っていた。墓地の探索に夢中になるあまり、日が暮れていることに気づかなかった。慌てて出口に引き返そうとしたが、どこで道を間違えたのか一向に辿りつけなかった。そうこうしているうちに辺りの闇はより一層深くなっていっ…

また苔が生えてくるその日まで (1) 暇人の墓参り

ゆっくり目を閉じて、意識を右手に集中する。右手をゆっくり開き、 「アリシ・セーガ」 魔導書に記されていた呪文を、一つ一つ思い出しながらゆっくり読み上げていく。 「ドエン・ラアノール」 下ろしていた右腕をつっくりと、正面に手の平を向けるまで上げ…